ベラルーシの【ひがん】とは?

田中 仁

日本語の『彼岸』といえば季節の移り変わりの春分と秋分の時期、前後各7日間のことです。

しかし、ベラルーシで『ひがん』といえば毎年秋分の時期にミンスクで開かれているアニメフェスティバルのことです。現地(ベラルーシ)のアニメ好きの友達にこのフェスティバルに誘われて行くまでは知らなかったことでした。

そして今年(2013年)もアニメ祭り【ひがん】が9月28~29日(2日間)にかけてミンスクのコンサートホールで行われました。

初日の28日、私はそこへ行き当日券を購入しました。私が買った2日間有効のチケットは20列目の席で23万ベラルーシルーブリ(約2300円)でした。チケットは安くはありませんが、多くの来場者でにぎわっていました。

Хиган 2013

Хиган 2013

会場に入ると、日本のアニメや漫画、テレビゲームのキャラクターに扮した(コスプレ)ファンでたくさんでした。彼らの大多数が自分で縫った鮮やかなコスチュームを身に着けています。フュギアやポスター、ロシア語に訳された漫画本といったグッズも売られており人だかりができていました。

毎年【ひがん】祭には日本のアニメに夢中になるベラルーシ中のファンが集まります。

正午12時、フェスティバルが開会しました。それぞれの参加者が自分のお気に入りのキャラクターの姿でステージに上がり、その役になりきったポーズをとったり、踊ったりします(各30~60秒の演技)。8~13歳の子供達もかわいらしく出演します。

カラオケ部門では日本語で上手に歌う出場者もいました。そのほかグループによるダンス、劇、オリジナルビデオ上映などがあり、盛り上がりを見せました。とくにアニメの断片をはり合わせたり、吹き替えを入れたりしてつくられたビデオの上映がおもしろく、言語は違ってもそのユーモアをベラルーシの観衆と共有することができました。

休憩時間になると、参加者、観客は皆ロビーや外に出て談笑したり写真を撮り合ったりします。笑顔があふれていて、お互いすぐに仲良くなれる雰囲気です。

写真撮影が主に行われるロビーでは立錐の余地もないほどの人であふれかえっています。その光景を見ると、本当にアニメの世界の中に入ったような錯覚に陥ります。そこにはジブリ作品のトトロ、キキ、ハウル、ポケモンのピカチュウ、セーラームーンといった有名なキャラクターもいれば、まったく知らない近代アニメの主人公も数多くいます。ベラルーシのファンはもう日本の人たちよりもアニメに精通しているかもしれません。

また、彼らベラルーシ人は日本アニメのキャラクターのコスチュームがよく似合っていて、コスプレをするととても映えます。日本人にとって、ベラルーシ人のように金髪で青い目をしたヨーロッパ系の人々はエキゾチックで、彼らをモチーフにしたと思われるキャラクターが日本のアニメ・漫画の中には多く登場します。彼らへのあこがれからか、日本では髪を染めたり、目を大きく見せる化粧法が流行っています。

数々のすばらしい演技、おもしろい出し物があった【ひがん】祭りの初日は夜の9時近くに終わりました。明日の続きを楽しみにしながら、みんな帰路に着きました。遠くの町から泊りがけでミンスクに来ていたファンはホテルや知人宅へ向かいます。

Тоторо

2日目の【ひがん】祭もコンサートホール《ミンスク》で正午きっかりに始まりました。

オープニングには駐ベラルーシ日本大使の三森重弘氏が祝辞を述べ、フェスティバルがスタートしました。三森大使はその後も催しを観覧していき、ロビーではベラルーシのアニメファンの願いに応じ記念撮影、表彰式では日本大使館からのカラオケノミネート特別賞を受賞者に手渡しました。

この日は1回目の休憩後すぐに表彰式が始まりました。個人、団体、子供、カラオケ、ビデオ、写真、ゲーム、ダンス等々15の各部門で投票による観客特別賞が一つと審査よって選ばれる1~3位の賞がそれぞれ贈られました。受賞者全員がステージに集合し、2013年度【ひがん】祭はフィナーレを飾りました。

Чюн Ли

終了後、【ひがん】祭の《Free time CLAN》という肩書きを持つブレスト州からの参加者に話を聞きました。「なぜ皆こんなにも日本のアニメに夢中になれるのですか?あなたのもっとも好きなアニメ作品を一つ教えてください。」と質問すると、彼はとてもいきいきと答えました。「自分の場合は日本の文化がもともと大好きで、その中のアニメを趣味の一つして好きになりました。初めて見た日本のアニメ作品が《もののけ姫》で、それ以来アニメに夢中になりました。だからいまもこの作品が自分の一番のお気に入りです。【ひがん】フェスティバルにはアニメでなく日本の文化そのもの-音楽や歴史等が好きでやって来る人もたくさんいるんですよ!」

今回の【ひがん】祭り、一番印象に残っているのは、やはり自分のよく知っているキャラに会えた時の嬉しさです。

初日にはもっとも好きなアニメ作品の一つ《千と千尋の神隠し》の主人公千尋に出会えました。千尋そっくりに扮しているその参加者に頼み記念写真を撮らせてもらいました。すると彼女は礼儀正しく「ありがとうございます!」と言い、去っていきました。しぐさや性格まで千尋そっくりでした。

Тихиро

Тихиро

2日目には有名なナルトや子供の頃よく遊んでいたテレビゲーム《ストリートファイターⅡ》 のキャラクターのチュン・リーを発見しました。それぞれのキャラ特有のお決まりポーズで写真撮影に応じてくれました。

このように【ひがん】フェスティバル参加者は完璧に自分の役になりきっています。そのために彼らが熱心に自分の持ちキャラの研究を積み重ねていることがうかがえます。

ベラルーシでの【ひがん】とはアニメファンの自己実現の場であり、お互いにお気に入りのアニメのことを分かち合えるかけがえのない場所なのです。

покемон

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